父は著名人で、遺された家や遺品を母が所有していたのですが、母が高齢になり、そのうち私に大量の遺産整理が回ってきそうで正直困っています。興味もないので全部捨ててしまおうかと思って。
ちょっと待ってください。遺族がいらないものでも、世の中に遺すべき価値のあるものは存在します。ぜひどこかに寄贈することを検討してください。
まだまだ大丈夫と思っていた実家の遺品整理。実は自分がやらなければいけないと気づき困っているという方もいるのでは…と思い、今回は
について調べてみました。
親の遺品価値なんて全くわからないし興味もないが、誰かがやらなくてはならないしと困っている方に読んでいただきたい記事です。
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「遺品整理をどうするか?」
この問題は著名人の遺族だけではなく、多くの人が抱える問題だと思います。
しかし著名人の遺族は「自分たちの判断だけでは捨てられない遺品がある」という大きな問題をかかえています。
親族の誰もいらないからといって、簡単にポンッと不用品として廃棄処分してしまっていいか?というと良くない場合が多く、でもだからといって取っておくこともできないし、誰に相談したらいいかもわからないというジレンマを抱えている遺族が多いのです。
そして結局どこに相談したらいいかもわからないから捨てるか骨董品屋に売ってしまう遺族が多いのが現状です。
さらに深刻なのは「捨てられないとすら思われずに捨てられてしまう遺品がある」という問題です。遺族が故人の業績にそこまで興味がないか知らない場合、価値が見出されないままひっそりと打ち捨てられてしまうケースがほとんどです。
ここでいう「著名人」や「有名人」とはどんな人かというと、なにも誰もが名前を知っている人や芸能界やスポーツ界にいる人に限った話ではなく、ニッチな業界での著名人も含まれます。
例えば、パイプのコレクションで名を馳せておりその道では著名人ということもありますし、ある分野の人間国宝ということもあります。粘土細工の第一人者もいるでしょうし、アナログオーディオ界では神という人もいます。
それぞれ一般には名前を知られていなくても、その業界では名前を知らない人はいないという存在。
そうなってくると、かなり多くの人が該当します。そんな人が亡くなった場合、その人が大切にしていた遺品は果たして価値があるかないか?業界のことをよく知らない親族が仕分けして誰もいらないからと捨ててしまっていいものなのか?という問題が必ず起きてくるのです。
生前にプロダクション化や財団化されている場合を除いては、故人の遺品整理とその後の管理は遺族にとって慣れない上に、知らない世界なので大変です。
運が良ければ良心的な同業の誰かが名乗りをあげて保存に向けて手続きをしてくれるでしょうが、そういう人達に出会えなければ単なるリサイクル品として安値で引き取られるかもしれませんし、紙ゴミとして捨てられてしまうかもしれません。
大きい家に住んでいて配偶者が存命の場合はそのままであった著名人の遺品も、次の代に継がれる際や、家を手放さなくてはいけなくなった際にはどうしても誰かが遺品を整理し、管理するか捨てるかを選択せねばならなくなります。
そういった際に最悪な(全て処分してしまう)事態を避けるために、対策を考えてみましょう。
ここから先は、そんな”著名だった故人が住んでいた家を手放さなくてはならなくなった際に家にある大量の遺品達”の整理と管理について考えてみたいと思います。
遺品整理をする際には
「遺品整理」の管理
の二種類の管理が考えられます。
管理レベル0 <寄贈>
その道では著名な人とはいえ遺族が遺品を管理するのは難しいという方の場合は、既存の記念館に寄贈するパターンが一番多いです。
作家の場合は文学館、パイプコレクションは博物館といった具合です。
特定の著名人の遺品というよりも、戦争に関する物や昔のおもちゃだったりする場合も同様に関係のある博物館に寄贈することになります。
この場合は遺品の管理を委託するというよりも、遺族の権利から離れて寄贈という形になる場合がほとんどです。
このあたりのことは別に詳しく記事を書く予定です。
管理レベル1 <譲渡>
文化庁や各都道府県にそれぞれ”文化財をとりまとめる課”が存在すると思うので、近日中に調べて掲載したいと思います。
相当の著名人でないと、遺品の管理は引き受けてくれないかもしれません。引き受けたとしても、倉庫にねむったままで整理されないまま放置されたり、過去には再度引き取ろうとした際に紛失していて取り返せなかった例もあるそうです。
そういう意味では遺品は管理を譲渡というよりも寄贈に近い形になると考えた方がいいかもしれません。
現在日本各地にある多くの個人記念館は地方自治体の管理下にあるので、きちんとした譲渡ができれば、遺族にとっても世の中にとっても良い形での遺品継承ができます。
管理レベル5 <委託>
遺族の手を離れつつ、多少口も出せて最も遺品との距離を保ちやすいのがこの方法です。遺族は遺品を使って展覧会を開くことも可能ですし、記念館を作って管理を財団にまかせることもできます。
ただ、財団が力を持ちすぎて遺族とトラブルになるという話もちらほら聞きますし、財団を立ち上げる際には費用と労力が必要になります。
管理レベル8
そこまで遺品の量が多くない場合に一番無理のない管理方法です。
故人の家を解体した後でもトランクルームに入れて保管しておけば管理はできます。そこから必要に応じて展覧会や記念館に貸し出す方法がコスト的にも管理的にも負担は軽いです。
ただ、遺品管理を他に委託していない分、自らが保管料を負担し続ける必要があるのと、記録整理をしないと遺品が宝の持ち腐れ状態で死蔵してしまうことになりかねないので注意が必要です。
できる限り早く、遺品のいわれを知っている人が存命なうちに、遺品がそれぞれどういう意味があるのかを正確に記録しておく必要があります。
遺品だけ保管していても、それがいつどのようにして手に入れたものかだったり、作られたものだったかの記録がないと、公開する際の価値がなくなってしまいます。
管理レベル10
地方自治体や財団に管理を任せられない場合でも、自分達で記念館を作って一般開放することができます。自宅もあわせて遺品を適切に保存できますが、遺族にとって管理の負担が一番大きい方法です。
遺族の誰かが、故人のために人生を捧げるような状態になりかねませんし、その方が亡くなった場合に後を継げる人がいなくなってしまいかねないので、できるだけ他の人達を巻き込んで、管理を組織化することをオススメします。
「いっそのこと捨てちゃえば楽!!」という風潮がありますが、ぜひ耐えて遺品を次世代に伝える一手間をかけてあげてください。
いかがでしたか?今回は、
について調べてみました。
様々な方法がありますが、とにかく遺族の誰かが「きちんとのこそう」と腰をあげないとはじまりません。
捨ててしまうのは簡単ですが、ぜひ「遺族」目線ではなく「世の中」にとって「この遺品はのこす価値があるか?」を検討していただきたいです。
この記事があなたの「遺品整理」のお役に立てたら嬉しいです。
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007 たばこと塩の博物館
006 下町風俗資料館
005 世田谷文学館
004 東京メガネミュージアム
003 蘆花記念館
002 川崎市平和館
001 世田谷区立 平和資料館
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020 【遺品整理】捨てられないもの、捨ててはいけないものを把握しておく
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