ミュージアム公開日:2020/09/02 | 更新日:2019/09/03

高島屋史料館TOKYO

  • 施設の正式名称 : 高島屋史料館TOKYO
  • 施設の住所 : 日本, 東京都中央区日本橋2丁目4−1 日本橋高島屋S.C.本館4階・5階
  • 施設の連絡先 : 03-3211-4111
  • 施設の形 : 企業博物館
  • 所有者 : 株式会社髙島屋
  • 運営母体 : 株式会社髙島屋
  • 運営母体の連絡先 : 03-3211-4111(代)
  • 料金体系 : 無料
  • イヤホンガイド :
  • 写真撮影 : 不可
  • 予約の必要 :

※ 掲載当時と情報が異なっている場合がありますので、開館時間、休館日、イベント等、正確な最新情報は公式URLをご覧ください

この施設の設立趣旨

「美しいくらしスタイル」の発信をテーマに日本橋地域における文化発信拠点として、これからの暮らしを心豊かにする情報・体験を提供し、地域の魅力向上に貢献していきます。(高島屋史料館TOKYO 公式サイト より抜粋)


以下、文章及び写真:木原(フィールドアーカイヴ 代表)

「装飾をひもとく」 見学レポート(2020/09/02)

15時から芝公園で打ち合わせがあったので、その前の12時頃から高島屋史料館TOKYOの企画展を見に行ってきました。
1時間弱で見終わるだろうとたかをくくっていましたがとんでもない!
面白すぎて全部で2時間半くらいかかってしまい、打ち合わせ時間ギリギリになってしまいました笑


  • 1階のインフォメーションで場所を伺ったら丁寧に教えてくださり、さらにこのチラシをいただけました。
  • 内部構成などは記載されていなくて、思い出すのに一苦労💦

  • 4階のエスカレーター上がってすぐ右にありました。

  • 正直一瞬、業務用入口か?と思うような、ちょっと地味な外観。内部もコンパクト。でも中身は濃かった。

  • 新旧併せ持つ高島屋の建物にも通じる、かっこいいロゴ。

  • 写真撮影不可で携帯利用も不可。ペン不可で鉛筆のみということでメモもとれず…。博物館見学に鉛筆メモ帳は必須ですね。

----------

今日が初日の企画展「装飾をひもとく」は、日本橋エリアに現存している本格的な西洋古典主義の建築群(日本銀行本店本館(1896)、三井本館(1929)、日本橋三越本店本館(1914)、日本橋高島屋本館(1933)等)を紹介し、さらにそれぞれの建築様式の装飾に焦点を当てています。

細部を見て装飾をていねいに読み解くことで、建築の特徴を浮かびあがらせよう、設計者の声を聞いてみようという試みがなされていました。

西洋建築の装飾に基づいているため、解説がカタカナだらけで、建築素人の私としてはとっつきにくく感じましたが、文章がわかりやすくて、「へー!なるほど」と理解でき、帰る頃にはしっかり知識が身につきました。


  • 入る前に撮っていたこの画像も、企画展を見終わった今だと見方が劇的に変わってる!
  • ここは何だろう?と何気なく撮っていたけれど、元水飲み場だそうです。柱の装飾に目がいきます。
  • 風格のある高島屋の看板

明治期の洋風建築の装飾部分に焦点を当てたこの企画展。

監修は五十嵐 太郎(建築史・建築評論/東北大学大学院教授)氏。
文章が読みやすく、「なんとなく知った気分になって」とか「本場の人が見たら別物だと言うだろう」(←正確ではないけれど、こんなことが書いてありました)とか、ところどころクスッとくる言い回しが含まれていて、おかたい解説ではなかったのがとても良かったです。
構成も装飾の解説から始まり徐々に視野を広げていく感じで、「あ、この装飾さっき見た、この様式さっきと同じだ」みたいに自分の身につきながら読み進めていくことができました。

展示期間は2020年9月2日(水)~2021年2月21日(日)。
以下のレポートはかなりざっくりとしか書いていないので、興味を持たれた方は是非、会期中に見学に行ってみていただければと思います。
----------

記憶が曖昧ですが、全部で確か5部構成。

第1部は、主に日本銀行本店本館の外観の細部を見ながら、設計者の辰野金吾氏が視察で影響を受けた場所を視察元の画像とともに比較して見せてくれていて、違いがとてもわかりやすかったです。
さらに古典装飾の起源になったアカンサスの葉の画像や木造の画像などまで深堀りされていました。

第2部は、主に日本橋高島屋本館の装飾をていねいにひもといていました。
このコーナーを読んだ後に史料館を出ると、いたる所に現物があるので、自分はなんてすごいところに居たんだ!という気分になります。入る時は何も感じていなかったのに笑

時間があれば是非、エレベーターか階段で屋上に行くことをオススメします。


  • 階段もエレベーターも常に上を見たくなります。

  • 周りを見まわしながら歩きたくなります。

  • このペリカン像も、企画展見学後だと有名人に会った気分。

  • この写真も。
    展示見た人はわかってくれるはず。
  • 日本庭園と七福殿があるの知らなかった。ちゃんと七角形なのは珍しいそうです。

  • 屋上に出ても、やっぱり柱と上を見たくなる。

初心者から一気に博識者になった気分で、誰かと装飾を見たときに話したくなります。

第3章は、建て替えに際して、現代にどのように残っているのかがわかる内容になっていました。
面白かったのがタカシマヤ ウオッチメゾンの建物の話。
前身のスターツ日本橋ビルの前身が三菱UFJ信託銀行日本橋支店で、その前身が旧日本信託銀行本店で、建築当初の名称は川崎銀行本店。その建物の数奇な運命がとても面白い。

昭和2年(1927)に建てられたこの建物は、所有者が変わりながらも永く人々に親しまれてきましたが、昭和61年(1986)にビル建て替えのため取り壊しに。

その際、よっぽど惜しまれたんですね、一部が明治村に、一部が再構築されて新しいビルに使われたそうなのです。
参考サイト:明治村公式サイト「川崎銀行本店」

往時に比べるとものがなしい姿ですが、明治村がなければ全体を感じることすらできなくなっていたわけですから、大変ありがたい存在です。
それにしても明治村、25年くらい前に行ったきり行けてない。
1週間くらい泊りがけで行きたい。他の人と行くと1ヵ所で動かなさすぎてきっと迷惑になるので、1人で行きたい。

話を戻して、川崎銀行本店のその後。
明治村に移築された以外に、現在の同じ場所、タカシマヤ ウオッチメゾンでも川崎銀行本店の遺構がまだ見られます。
が、なんと2階部分と1階部分があわさって再構築されているそうなのです。

素人見では全くわからないのですが、言われてみると確かに変。
古典主義の様式をきちんと理解しているプロの設計士、建築家の方々が見たら、かなり違和感あるんだろうなと思ってしまいました。

それを言ったら川にかかっている日本橋も日本橋高島屋本館も、実はかなり和洋折衷、様式崩壊。
日本橋の場合は、和橋を作るか洋橋を作るかでもめて、どちらからも納得されるべく建てられたそうです。

高島屋にいたっては、設計図案競技で初めから「東洋趣味ヲ基調トスル現代建築」という様式を求めているくらい。
そこで1等当選した高橋貞太郎の案が採用されたため、和風の装飾が散りばめられています。
銀行は威厳が必要なので正式な様式美にこだわり、百貨店は商業なので洋の格式と共に和の親しみも必要だったというお話もなるほど納得です。

こういう創業時の話を知ると、遠い存在の銀行や百貨店もぐっと身近に感じます。

どこで読んだのか、もしかしたら屋上で読んだのかもしれないのですが、高島屋は京都が本店で、東京で新規開店する際に、開店のお祝いで祇園祭に使用する鉾を展示したと書いてありました。あの鉾を京都の外に出すってそうないですよね。京都が本店なんだよって教える意図があったそうです。こういうちょっとしたおはなし大好き。
さらにネットで調べて、もうちょっと詳細がわかりました。
昭和8年(1933)4月に、東京高島屋で月鉾を展示したそうです。
引用元:祇園祭山鉾巡行 明治からの変遷

第4章第5章は曖昧でどちらだか忘れてしまいましたが、iPadで過去の展覧会の図録が読めたり、展覧会の様子がわかる模型が展示されているコーナーと、辰野金吾氏設計の「帝国製麻ビル」(大正2年(1913)年竣工、昭和62年(1987)解体)の模型が展示されているコーナーがありました。
----------

以上、高島屋史料館TOKYOの見学レポートでした。

今回調べて知ったのですが、毎月第2金曜日には無料で1時間の日本橋高島屋 館内見学ツアーがあったようです。
参考サイト:高島屋 公式サイト
昨今の情勢を鑑み(おそらくコロナ禍)、残念ながら2020年9月現在、休止中となっています。

いただいたチラシの解説に「西洋の古典主義が日本橋界隈の建築にどのように導入されているかを検証します。知られざる装飾の歴史をひもとき、新たな建築の楽しみ方を提案します。」と記載されていましたが、まさにその通り。
新たな建築の楽しみ方を教えていただけて、とても勉強になりました!

関連商品5撰

クリックするとAmazon商品ページへ飛びます